スペインのイースターパレードは中止

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スペインが世界に誇るイースターパレードもコロナウイルスのため中止という発表がありました。ここ数年、カスティーリャやアンダルシアで美術品鑑賞をしながらイースターは楽しんでいたので、残念で仕方ありません。バレンシアの火祭りは延期になりましたが、真夏にあのすごい火祭りというのも、暑過ぎて大変だと思います。運よく2月に準備段階のイースターの催しを、セビリアで見ているので、ほんの少しだけイースターを味わったような気分です。

この美しい紫の祭壇は先日とても感動的でした。セビリアの人が熱心に教会の手入れをしている姿は、スペイン黄金時代に形づくられた独特の神秘主義が、今でもしっかりと残っていることを感じさせてくれます。何よりすごいのが何百年もの間蓄積されてきた美術品の膨大な数とクオリティの高さ。これはじっくり観る必要があり、特に宗教美術なので好き嫌いがあると思うのですが、私も何十年もかけてこれら美術品の価値を識別し評価出来るようになってきたと思っています。

これはパレードに使う旗のようなものですが、絵はムリーリョのものだと思います。こういうものがさりげなく小さなチャペルに保管され、パレードに登場することを待っている姿は、本当に豊かなものですごい文化を感じます。

カトリックの慣習なので日本ではあまりプロモートされていませんが、これよりもすごい美術品が使われている儀式はありません。このすごい美術品のパレードと人々の精神性を見る体験は、美術館訪問よりもずっと感動的なものなので、チャンスがあったら美術品好きの方は見逃せない行事です。

こちらはある修道院の教会。修道女が守り続けている建物は、掃除が行き届いておりピカピカです。どのくらい大切に美術品と建物を守っているか良く分かるのですが、今修道女不足も問題になっています。

スペイン全土で外出禁止状態ですので、今日は目の保養のために幾つか彫刻をアップします。

素晴らしいマリア像。女神信仰がアンダルシアではキリストへの信仰よりも深いものがありますが、17世紀の彫刻は美しく、涙を流している信者の気持ちがわかります。日本の感染状況はスペインと比べるとずっと安心できるものだと思いますが、皆様どうぞご自愛ください。

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