ガリシアのマナーハウスホテル

Hotel Life

スペインの旅で活用出来るように、以前公開したブログの改訂版を作っています。今日はガリシアにあるお気に入りのCasa Grande de Rosendeを紹介します。

ガリシアのマナーハウスは【Pazoパソ】と呼ばれています。皆さん、これから旅をする時、個人的にホテルを探すことが多くなると思いますが、ガリシアの場合Pazoをキイワードに検索すると、古い伝統的な家がホテルに改造されたところが多く登場すると思います。

夏ぶどうや紫陽花の季節にガリシアに行くのが好きなのですが、特にこのリベイラ・サクラは小さなアルチザンワイナリーがあり、海岸のように人が密集しない穴場です。

このおすすめホテルもワイナリーが敷地内にあり、レストランでここのワインを飲む事も可能です。ワインの産地を訪れたら、地元の地酒的なワインを飲むのが本当に楽しみです。

夕食のテーブルセッティング。ガリシアは昔からのスタイルが失われておらず、ポルトガルのようにキッチンには大体女性がいて、料理を作ってくれます。これはスペイン北部に残る伝統ですが、南の方に行くと大部分、ホテルやレストランでのシェフは男性。女性がいるところでは、家庭料理の味が楽しめると思っていただいて間違いないと思います。ガリシアはリネンも豊富にある地域なので、こういう手仕事の伝統も楽しめます。

ちょっとピントがズレている写真ですが、まずは白ワイン。リベイラ・サクラ近辺に行ったら必ず飲むのがGodelloゴデーヨ。スペインの白の中で一番好きなぶどうです。この地域の立地条件を見ていただくと、どのくらい過酷な環境でぶどうが栽培されているか分かるのですが、ここに車で到着するにも、すごいカーブばかりの狭い道を行く必要があるので、ワインの味は期待できます。

ホームメイドのサルチチョン(サラミ)とスモークチョリソ。ガリシアやアストゥリアスへ行ったら、是非この燻製したチョリソを食べることをおすすめします。日本ではイベリコ豚が注目されていますが、イベリコ豚でなくても美味しい豚は、スペイン全国に生息しています。いずれにしろ美味しい腸詰は北の方に多いと思います。

おつまみの後、スペインではPrimeroプリメロというのが前菜です。

これはマスのエスカベッチェ。絶品です。こういう料理を郷土料理としてもっと多くのところで出してもらいたいのですが、オールドファッション過ぎてあまり今のメニューにはありませんが、ガリシアの内陸の川の近くでは、時々お目にかかります。このサイズのマスが本当に少ないのです。味付けもピメントンとワインヴィネガー、ローレルとニンニク、胡椒というスペインの伝統的なスタイル。これ夢に出るくらいまた食べたい料理です。

ここで赤ワイン登場です。ハウスワインよりも真剣に作っていそうな酒蔵の赤にしてみたのですが、フルボディすぎるので結局ハウスワインにしてもらいました。ハウスワインの方がずっとバランスが良くて美味しく、買っいたいくらいでした。ぶどうはMencia。ブルゴーニュの赤に似ているとよく言われるぶどうです。私も勿論ファンです。

スペインのメインディッシュは、Segundoセグンドと呼ばれます。

ガリシアの牛肉は、スペイン各地に専門店があるくらい有名です。マドリードで私が通うお肉屋さんもガリシア牛専門店ですが、味わいのある牛が多く、スペインでトップの牛を生産する地域です。ジャガイモもガリシア産。ジャガイモもスペインで一番高いものがガリシア産。私は何でもオールドファッション好みなので、古典的な家庭料理のローストに大満足。久しぶりに感動出来るホテル料理でした。
サラダはシンプルですが、パソの敷地内で収穫されたオーガニック野菜。シンプルで何より美味しく感じます。

デザートはPostreポストレ。

これも感動しました。洋梨のコンポートはよく作りますが、ここまで綺麗に輝くコンポートにするにはテクニックが必要です。また、この白と赤ワインのコンポートを半分づつ出してくれるところも可愛くて魅力的。ワインが美味しい地域なので、コンポートも理想的でした。

ホテルはオーナーが建築家で建物を修復し、息子さんが運営を任されていました。食事が終わると感想を聞きに来てくれて、『パソの中庭にリキュールが準備してあるので、是非飲んでください』との一言。ガリシアは、Orujoオルホと呼ばれるグラッパ的な蒸留酒でも有名で、ハーブやコーヒーなどのオルホがセッティングされていました。これを飲みながら夜空を愉しむのもいいですし、庭の散歩をするのもおすすめです。

こちらが髭の似合うオーナーと息子さん。真ん中がパートナーのアンヘル。修復の話をしても地域の文化財の話をしても、なんでもよくご存知の方でした。ガリシアにはこういう優れた伝統建築を理解する建築家が残っているので、田舎の建造物もよいコンディションで修復されていますが、まだまだ危機的な建造物は多々あります。コロナウイルス危機で、多くの人がライフスタイルを変えると思いますが、こういう田舎の良さが再認識される動きが始まることを願って過ごしています。

リベイラ・サクラには素晴らしいパラドールも多いのですが、ここはガリシアのカントリーライフを知るには絶好の場所です。

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