メディナ・デル・カンポMedina del Campo中世からのフェアが続く町

Castilla カスティーリャ

スペインのような色々な宗教が混じり合っていた国の歴史は奥深く、いくら勉強しても終わりがありません。学べば学ぶほど次々と不思議に思えることが多く、長年住んでいるのにこんな事も知らなかったと恥ずかしい事ばかりです。

@wikipedia   Castillo de Mota モタ城

メディナ・デル・カンポは15世紀カスティーリャの主要商業都市であり、イタリアのジェノバやミラノ商人フランスやフランドル地方とのウールや織物をメインとした取引で繁栄しました。現在の町の様子からは想像できません。アメリカ大陸発見後、商業は南米との取引がメインとなりセビリアが主要都市になってしまうまで、カスティーリャとヨーロッパの商業を牛耳っており、手形を使った取引が14世紀には実施されており、信用取引が500年以上前から存在していたことに驚かされました。

フェアは見本市のようなもので、年に2回それぞれ50日間開催されたそうです。織物の次に重要だったものが書籍、次に芸術品も大切な商材だったそうです。プラド美術館に残るイサベル女王の絵画コレクションなどを調べると、かなりの数のフランドル派の絵画がこの町のフェアで購入されており、それにも以前ビックリしました。ここでは昔からの名残で日曜日すべての商店がオープンし、定休日は木曜日となっています。

この興味深い中世トレードの町の商業史は当時の実業家の歴史も含め、別の機会に書きたいと思いますが、先日は偶然この町に残るスペインで最も古いお肉屋さんへ行ったので、そのことについて今日はご紹介します。

@Fundacion Joaquin Diaz

白黒写真は恐らく1960年代のモノだと思いますが、こちらがReales Carniceriaと呼ばれる王立肉店でスペイン最古のマーケットです。肉をより衛生的な環境で販売するためイサベル女王とフェルナンド王により15世紀に建造が決定され、16世紀にルネッサンス様式で建造されました。当時、メイン都市にはこのような肉屋があったそうですが、今日まで同じ活動をし存続しているのは、このメディナのものだけです。1931年に解体寸前だったのですが、奇跡的に生き残り現在まで市場として機能しています。

御影石の石柱が連なる立派な内部。2つのメインエントランスのアーチの上部には宗教画が描かれていてスペインらしいのですが、日本でも神様をあちらこちらに商売繁盛のために飾るので同じような習慣です。こちらは聖ミゲールで、このアーチの外には、聖ミゲールを祭る教会があります。

もうひとつのエントランスの宗教画。大きくて立派ですが、両脇にある黒板に細かく書かれている肉の部位と野菜の価格表示の看板の方がとても面白いと思いました。

次回訪問する時は、もうすこしじっくりと見学したいと思いますが、とても美味しそうな熟成肉の店舗と幾つかいい感じのワインバーがありました。歴史を感じながら味わえる場所が近くにある事は本当に贅沢だと感じるひと時でした。

 

 

 

 

 

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