皆さん、グルメ缶詰に明記されているのは賞味期限だってご存じですか。これは理想の美味しさ期限を表し、賞味期限であって消費期限ではありません。それが近年益々疑問視されています。なぜかというとグルメの間で、サーディンとマグロのオリーブ漬けに関しては、20年間問題ないという事で話題になっているのです。
フレンチグルメの間では、この古い賞味期限切れの缶詰コレクターがいて、日々その数は増えています。スペインの食通の間でも古いオイルサーディンのおいしさは話題になっており、何度もコンクールが開催され新聞記事にもなっています。
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長年日本で紹介しているガリシア地方のパコ・ラフエンテ缶詰。この会社は賞味期限切れの缶詰を保存し、現在2014年と2016年もののサーディンをストックしており、グルメは大喜びで購入するコレクター品になっています。2014年賞味期限のものだと15年は前のもので、20年までは保存管理をしっかりとしたら美味しくいただけるということです。
なぜこんな長期保存が効いて、しかもおいしくなるかと不思議ですが、メーカーの話によると、ポイントは上質なオリーブオイル。他の植物性オイルではこのような保存は効きません。オリーブオイルのおかげで魚の骨も理想的なコンフィ状態に時間と共になり、とろけるようなエレガントな味わいになるのだそうです。これから益々グルメはこの古い缶詰を探すムーブメントは起こりそうです。
長年この缶詰会社に関わっているので5,6年もののオイルサーディンのおいしさは知っていたのですが、まさか20年も食べられるとは本当に驚きです。しかもパリでは本気で10年モノ、15年モノを探して人が多くパコの缶詰は画期的な動きをしている事になります。改めてグルメ缶詰に驚いています。ただ、この長期保存が効くのはイワシとマグロに限られており、アンチョビやサバなどでは同じ現象は期待できません。トマトソース漬けなども無理です。(写真はパコ・ラフエンテファミリーのお母さん)
10年以上前からこのオイルサーディンを販売しているパワジオ倶楽部には、4,5年ものならばストックしてありますので、まずはお試しください。おうちであと5年くらいキープしておいて食べてみるのも楽しいと思います。
写真はパコ・ラフエンテ工場内の様子。こんな新鮮でキレイなサーディンがオイルサーディンになります。
グルメ缶詰の文化は日本ではまだまだ新しい食文化ですが、素晴らしいクオリティのものは暮らしを豊かで便利にしてくれます。小さいキッチンでイワシの臭いを避けたい人にはピッタリです。私もイワシを調理するときはキッチン全開でするので、この缶詰がオメガ3摂取のためにとても便利です。オメガ3が不足すると細胞膜が固くなってしまいます。定期的にオメガ3は補給しましょう。錠剤などよりも確かな効果があるのは、青魚を実際に食べることだそうです。
健康のために意識して欲しい一品ですが、グルメも求める古い年代物の缶詰、是非お見逃しなく。
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