しばらく前の話になりますが、今年の誕生日は好きなポートワインのワイナリーを訪問。9月10月のぶどう収穫の時期にまた行きたいと思う素敵なところでした。
ポルトガルでは煙突が豊かさの象徴で、立派なキッチンのある家が豊かなファミリーということになっています。この建物のガラス張りになっている部分は以前は煙突だったところ。どのくらい大きなキッチンであったか想像がつきます。
マント姿の男性のシルエットが有名なサンデマンの看板。スペインワイン業界に同じようなシンボリックなキャラクターがあったら、どんなにいいかと思います。そんなことを思いながらQuinta da Pachecaという目的のワイナリーホテルへ到着。シーズンオフだったので、ほとんど私達で貸切状態。オーナーともゆっくり話ができ幸運な滞在となりました。
記念にゲストブックにもサイン。アマリリスが綺麗でした。マグナムボトルはインテリアとしても存在感があり、いつも見ると欲しくなります。
お部屋はこんな落ち着いた雰囲気で、こういう部屋ならゆっくり眠れます。趣味の悪いインテリアの部屋では心地よい眠れが望めない時があります。ビジネスホテルでは全然眠れない時が増えてしまい、最近ビジネスホテルは避けています。皆さんそういうことありますか。年齢と共に敏感になったのか眠りにくいところが結構ありますが、ここはとても快適でした。
お部屋に積まれているトランクは、なんとモノグラムが出る前のルイヴィトンのトランク。保存状態もよく当時の豊かな人々の馬車での移動が思い浮かび、よりイマジネーションが活発に威力を発揮する滞在となりました。
ラウンジやサロンにポルトガルについての本が充実しており、出来る限りの情報集めに励みました。美味しいポートワインとホームメイドクッキーを食べながら、ゆっくりと至福のひと時を過ごしました。ライティングが上手くて安らげる空間に大満足。
最低2泊はしてホテルのレストランだけでなく、周辺のレストランも楽しみたいホテルでした。レグアの町はドウロの畔で運送網が集中していたので美しいとは言えないのですが、周辺の世界遺産ワイナリー風景と伝統的なキンタの訪問は、ゴージャスで価値ある体験が出来るポルトガルでも極めて優秀な旅のおすすめスポットです。歴史ある文化財を訪れるなら、近くのLamegoラメゴがおすすめです。
部屋からのどかなポルトガル農家のような風景が見えました。かわいいかぼちゃが並び、瓦と漆喰の色合いに赴きがありホッとする景色でした。
こちらがポートワインの蔵。普通の赤ワインとは別の蔵に貯蔵すると決められています。オーナー自ら案内してくれましたが、パワフルなポルトガル女性らしい方でした。ここでウエディングパーティーよくあるようですが、何かイベントを計画したくなるような特別なムードの空間でした。
ポートワインは、今でも人間の足で潰されます。
その工程が行われるこの御影石の池というかプールのようなものが、ポートワイン造りには欠かせません。この中にたくさんの人が入って、歌いながら昔ながらの圧搾作業をしている光景がよく映像になっていますが、これを一度体験してみたい事のひとつです。
パチェカのヴィンテージポート。ポートワインと言うと、単に甘い印象をお持ちの方も多いと思いますが、質のよいものはシルクのような口当たりで品格のある甘さがあり、うっとりとさせる香りがあります。一度知ってしまうと脳に焼き付けられる味わいと奥深さがあり、時々どうしてもポートが飲みたくなってしまいます。
豊かなポルトガルを象徴しているような家具。中には有名なボルダロという陶器メーカーの器が並んでいます。このグリーンが私も大好きなのですが、見ていてなぜか落ち着きます。朝食の間ずっとこのグリーンを心の中に入れてパワーをいただきました。
朝からポルトガル定番お菓子エッグタルトも登場。私はとても食べられませんでしたが、ホテルの姿勢がわかります。スタッフもとても注意深くアテンドをしてくれ、ポルトガルのホスピタリティたっぷりのホテルでした。
最後に一番気に入ったのがこちら。ワイナリーは飲むことが好きな人が集まる場所。もしワインを飲みすぎて這って部屋に戻るようなことになっても、部屋番号がわかるように番号が床に設置してあるのです。部屋番号を忘れてしまえばどうしょうもありませんが、番号さえ記憶しておけば這ってもOKというホテルです。魅力的ですよね。
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