本当に価値のあるものは、少し見えにくい
前回の記事では、
オリーブオイルは“足す油”ではなく、
食材の旨味を引き出す存在だというお話をしました。
同じ食材でも、
使う油が変わるだけで味の印象は驚くほど変わります。

旨味を引き出すオリーブオイル
では、そんな本当に良いオリーブオイルは、
なぜ簡単には手に入らないのでしょうか。
答えは、とてもシンプルです。
そもそも、数が少ないからです。
■ 良いオイルほど、量が少ない
高品質なオリーブオイルは、
大量に作ることができません。
収穫のタイミングは限られ、
果実はまだ若いうちに摘まれます。
その分、搾れる量は少なくなります。
早摘みの果実を使うことで、
香りも鮮度も高くなりますが、
収量は自然と減ってしまいます。
さらに、収穫から搾油までの時間も重要です。
スピード、管理、設備、そして人の手。

現地でもオリーブオイルを使う量は、日本の数倍。量もおいしさと直結。
手間をかけるほど、
量は増えず、価値は高くなります。
だからこそ、
本当に良いものほど数が少ないのです。
■ 良いものは、先に選ばれてしまう
現地では、本当に良いオイルほど
市場に並ぶ前に使われていきます。
上質なオイルの多くは輸出向けとして扱われ、
その他はオイル専門店やグルメショップで消費されていきます。
また、価値を理解しているシェフや一般の愛用者たちは、
良いものを見つけると、すぐに手に取ります。
つまり、
“残っているもの”がすべてではないのです。
■ 日本に届くものには別の基準がある
私たちが普段目にするオリーブオイルは、
決して悪いものというわけではありません。
ただし、そこには
品質だけではない判断基準があります。
- 安定して供給できること
- 価格とのバランス
- 誰にでも分かりやすいこと
もちろんそれも大切です。
けれど、
本当に特別なものは、
その枠の外にあることも少なくありません。

大量生産でないオリーブオイルには、手作業の部分も多々あり。
■ オリーブオイルは“生もの”
見落とされがちですが、
オリーブオイルは生鮮食品に近い存在です。
収穫された時期。
保管方法。
輸送の時間。
それらすべてが、味に影響します。
どれだけ良いオイルでも、
時間が経てば少しずつ変化していきます。
だからこそ、
「どこで買うか」も大切なのです。

オイルを保管するタンクも色々なレベルがあります。屋外設置のタンクなどからは、良いオイルがあるとは思えません。
■ だからこそ、選ぶ必要がある
市場にあるものと、
本当に価値のあるものが
必ずしも同じではない。
このことを知るだけで、
オリーブオイルとの向き合い方は変わります。
見えているものだけでなく、
その背景まで感じ取ること。
そこに、本物との出会いがあります。
本当に価値のあるものは、
少しだけ見えにくい場所にあります。
■ 次回へ
では、どうやって選べばいいのでしょうか。
次回は
**「本当に良いオリーブオイルの選び方」**について
お話しします。
■ 本物のオリーブオイルに触れる体験へ
現地スペインで、数千の中から選び抜いたオリーブオイルをご紹介しています。
テイスティング体験やイベントも行っています。
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