アランフェスの老舗Casa Pabloカサ・パブロ

Eating

2021年もコロナ感染が悪化し行動範囲が限定されておりますが、ライフスタイルや考え方そのものが大きく変化しているので、益々アウトドアライフは重要度を増していくように思います。ガーデニングもきっとその一部なのだと思いますが、マドリードの南にあるアランフェス協奏曲で有名な町へ行って来ました。

アランフェスの庭園を散策したかったのですが、1月の記録的な積雪でマドリード中の庭園や公園は、大木や倒れたり枝が折れたりで危険なため閉園。町全体の構造が美しいので、いつも歩かない地域を散歩してきました。ブログで庭園については以前書いているので、よかったらそちらもご覧ください。きっとアランフェス訪問に役立てていただけると思います。

過去のアランフェスについてのブログ2つ

アランフェス ARANJUEZ  | シークレットスペイン
スペインにはアルハンブラやアランフェス、セビリアのように、ある意味音楽の方が町よりも有名なところが多く、音楽の国なのだなぁ~と改めて思います。 ...
アランフェス Part 2 | シークレットスペイン
前回に引き続きアランフェスについてアップします。今日はアランフェスの庭を好んで描いた画家サンティアゴ・ルシニョールの描いた場所をご紹介します。 ...

そんな訳で今回は老舗レストラン・カサ・パブロへ伝統料理を食べることにしました。

カサ・パブロへは、この地域の有名人だけでなく、アランフェスを訪れた有名人や著名人が全て食べに行っているといってもおかしくありません。1941年からある老舗で現在のオーナーは闘牛士になりたかった程、闘牛に詳しい方なので店内は伝説的な闘牛士の写真で覆われています。

運よく早めにレストランへ行ったので、じっくり写真を拝見させていただきました。私のパートナーも闘牛士になりたいと幼少の頃思った時期があり、オーナーと話が弾んでしまい思い出に残るランチとなりました。昔ながらの飲食のプロの姿を見ると色々語ってくれるので、食べるものよりもストーリーの方が楽しめるのですが、ここでは料理も様々な逸話も心から楽しめます。

店内はリニューアルされていますが基本的に昔のまま。この中で繰り広げられた様々な場面が壁に浸み込んでいて独特な空気感があります。ずっとこのままで存続してくれることを願うばかりです。2階にも広いサロンがあるので、大きな宴会をしたい方は素晴らしいパーティーの計画もできます。

何十年もここでサーブをしてくれている人が居るのも老舗の魅力。スペインの昔ながらのウェイターさん達は気が利くし、興味深いことをサラッと話てくれます。

アランフェスはタホ川とハラマ川が合流する場で、水に恵まれているために野菜とイチゴが有名です。私は迷わずメネストラという野菜料理をオーダーしました。野菜は火を通すのに、それぞれ必要な時間が違うので、本格的に作ろうとすると野菜一つ一つ別々に調理する必要があるので、手間と時間のかかる料理です。スイスチャードが抜群な味わいで、アランフェス産のものでした。これ以上美味しいメネストラは、北部のリオハの野菜畑にいかないとないと思います。

パートナーは旬のアーティーチョークを選びました。この料理のためだけにまたアランフェスに行きたいくらい美味しい料理なのですが、トップにのっている白いものはメルルーサという白身魚の喉の部分で、スペインの珍味ココッチャです。出汁はアサリの旨みがしっかりと出ている絶品のスープで、アーティーチョークは上手くローストしてありました。

アーティーチョークのシーズン中に、もう一度食べに行きたくて仕方ありません。

メインは天然カレイのロースト。魚の下にジャガイモのローストがあります。マドリードにはガリシアやカンタブリアからスペイン一の魚が集まるところなので、内陸であるにもかかわらず最高の魚が楽しめます。このカレイはトップレベルのクオリティでした。もちろん、味付けもやさしい味わいで素材の味が引き立つように仕上げられていました。デリケートな腕のシェフだと思います。

こちらはトリッパの煮込み料理で、マドリード名物のカイヨス。私も大好きな料理ですが、これをメインに一人前食べるには体力が必要です。絶対昼寝が必要になる料理だと言えます。これも100点満点でした。デザートは本当ならばイチゴを食べるのですが、今回はお腹が一杯過ぎて諦めました。

オーナーもう高齢なのですが現役で、ずっとアテンドしてくれます。闘牛の話だけではなく『アランフェス協奏曲』の作者マエストロ・ロドリーゴの話も色々聞かせてくれました。実はパートナーの背後に掛かっている写真がマエストロ・ロドリーゴの写真で、生前はこちらによく来ていたそうです。現在もファミリーがよく来ると言っていました。

オーナーが元気なうちにまた行って色々聞かせてもらおうと思いますが、今回はコロナのお陰でレストラン内に入れる人数も制限されているので、より長時間いろいろな話を聞かせていただき一生の思い出になりました。

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